CONCEPT
香川県宇多津町に建つ歯科クリニックを設計した。県内の海沿いを東西に繋ぐ「浜海道」を背骨にもつこのロードタウンには、イオンを筆頭に典型的なナショナルチェーン店が並ぶ。そんな商業的ヴァナキュラーな風景の一角に、白い家型、のボリュームを配置した。 幾何学的な形態をもつ記号的な構成は、背景の青ノ山や近隣の住宅地との調和をはかりながらも、ロードサイドにおける看板に頼らない商業的プレゼンスを獲得している。木の斜材と2本の鉄骨柱を使用した混構造によって高い天井高を実現するとともに、45度に屋根を支える木の斜材の連なりが診察室に住宅のようなの落ち着きのある心地良さを与えている。 歯の治療に来た患者さんが少しでも穏やかで快適なものであれば嬉しい。