CONCEPT
東京の下町、墨田区において革靴工場の減築工事を行った。 町工場という佇まいは下町特有の個性ではある一方、その業態全体としてはシュリンクしている。事実、周辺の敷地では、徐々に工場から集合住宅や福祉施設といった建物に変化が見られる。今回においては、意匠的な表現を出来るだけ廃し、都市に起こる現象がそのまま建築のファサードとなるように計画した。防水処理を最小にすることで、切断した断面をできる限り露出し切断面に出てくるスラブや構造体をそのまま表現とした。開発という一種の暴力によって生まれた傷跡を表現とすることで、痛みを伴いながらも生き生きと躍動しているような、そんな都市の臨場感が感じられる計画となった。