CONCEPT
横浜に無人のショールームを設計した。完全予約制で、一組ずつ付与された電子キーを使ってショールームに入る。設置されたモニターを介して遠隔からスタッフが案内する形になっており、マイクやスピーカーは天井に配置し、できるだけショールームの体験を損なわないような配慮をした。建材を購入しようとする住まい手の多くは、ドアやタイル、といった建材そのものが欲しいわけではなく、それらが構成する快適な暮らしが欲しいと望んでいる。押し付けがましい説明書をできるだけ取り除き、安心して滞在できる行き止まりのないおおらかな構成にしている。無人ショールームはその小ささゆえに、住宅や広いホテルの一室ようなプライベートな空間に近い。カメラに向かって自分から話しかけなければ誰にも邪魔されずに、その場所を独占することができるVIPルームである。 プラダの服で全身を着飾るように、サンワカンパニーの商品で生活を彩る楽しみを感じてもらえるようなショールームを目指した。